掃除に学ぶ会から、ハートフル活動へ

 西暦2000年6月4日、本校ではトイレ掃除を一大行事として行いました。それにはこんな経緯がありました。
 本校学校教育目標の第一は「きれいな学校」です。ところが,清掃となるとなかな上手にはできません。
年度が変わり、今年こそと、一ヶ月同じ場所を掃除するようにしたり、掃除マニュアルを場所ごとに手作りしてくれたりと先生方も知恵を絞りました。
 そんな折り、新聞で県内のある中学校が「山形掃除に学ぶ会」の協力を得て、トイレ掃除をしたことを知りました。
そして早速やってみようと跳びついたのでした。
 当日の朝、「山形掃除に学ぶ会」世話人の黒沼さんからご講話をうかがいました。
発案者の方の掃除哲学とそれに賛同された方々の実践を伺い、全校生と教職員は大きな感銘を受けました。
いろいろな道具の使い方も丁寧に指導していただきました。

掃除に学ぶ会に参加して 3年 上田祐輔

 東中学校が「掃除に学ぶ会」をやってみようと考えたのは、「きれいな学校」を目指しているからです。
そして、僕が参加しようと思った理由は、小学校時代から掃除が好きだったからです。(中略)
 僕は便器を担当しました。便器をスポンジとサンドメッシュの両方を使って磨きます。
やっている間に、何か心に響いてくるものがあるように感じました。
やっぱり掃除をやっていると、心まで洗い流してくれる気がします。そのためか、便器は汚くないと思えるようになりました。
一生懸命やって、プールまで含め、学校中のトイレがすみずみまできれいになりました。
終わったときには、みんな笑顔になっていました。
みんなが体験を通して感じたことはたくさんあると思いますが、それぞれ心に残るような体験ができたと思います。
 最後に、僕もこのような体験をしてみて、みんなが気持ちよく使えるトイレにできたことがとても心に残りました。
これからも、一生懸命掃除をやり続けていきたいと思います。



 本校の生徒は372名、2年前からハートフル活動と名づけて、地域の方々に喜んでいただく活動を学年毎に企画し実行してきました。
年間わずか2回ほどの活動ですが、今年度の1年生は、その活動に、なんと「出身小学校のトイレ磨き」という計画を立てたのです。
計画段階では2つの案があり、もう1つは「プランターに花を植え、町立病院に届ける」というもので、採決したら104対7という圧倒的な差でトイレ磨きに決まりました。
そんな経緯で、1年生のハートフル活動は「掃除に学ぶ会」から、「出身小学校のトイレ磨き」へと発展したのです。
次に、実際にそれを行い、させていただいた出身小学校の校長先生宛に書いた感想とお礼の文を紹介します。

ハートフル活動に参加して 1年 湯澤亜沙子

 今日は、お忙しいところトイレ掃除をさせていただき、本当にありがとうございました。
私が今回のトイレ掃除で心を真っ白にすることの大切さを知りました。
いやなトイレ掃除も心を真っ白にしてやったら、いつの間にか熱中していて2時間の掃除でしたが30分もやっていないような気がしました。
また、小学校にいたころは「きたない」というイメージだったトイレが全然ちがう場所のように思えました。
どんなものも磨けば光ること、いやなものに思い切って体当たりしてみると以外に何でもないことを知りました。
中学校でいやなことがあったりした時は、この掃除のことを思い出して後悔しないように精一杯がんばりたいと思います。
 最後に、掃除用具の準備や窓を開けていただくことなど、気をつかっていただき、本当にありがとうございました。